探偵業届出
探偵業務の範囲
探偵業務とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞き込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務のことを言います。
また、捜査権・逮捕権などは一切与えられていないので、業務を行うためには民間人の持ち得る権利の範囲内で行わなければなりません。
探偵業の欠格要件
次の1.から6.までのいずれかに該当する者は、探偵業を営むことができません。
また、代表者が未成年者の場合は、その法定代理人も欠格事由に該当していない必要があり、法人の場合は、代表取締役だけではなく、その他の役員も欠格要件に該当していないことが必要になります。
1.成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
2.禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
3.最近5年間に営業停止命令・営業廃止命令に違反した者
4.暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
5.営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が1.から4.までのいずれかに該当する者
6.法人でその役員のうちに1.から4.までのいずれかに該当する者がある者
探偵業開始届出書
探偵業を営もうとする人は、探偵業を開始しようとする日の前日までに、届出を行わなければなりません。
営業所を管轄する警察署に「探偵業開始届出書」を提出し、「探偵業届出証明書」の交付を受けなければなりません。
交付された「探偵業届出証明書」は、営業所の見やすい場所に掲示しなければなりません。
また、この届出は、営業所ごとに行う必要がありますので、複数の営業所を有する場合は、それぞれの営業所を管轄する警察署に届出を行わなければなりません。
法定の書面交付義務とは?
書面交付義務
探偵業法の施行により、 依頼者及び探偵業者に書面交付が義務付けられました。
この書面交付義務は、探偵業務の依頼を受ける前、受けた後、又は事務所に備え付けるために、それぞれの法定書面を準備する必要があります。
■誓約書
探偵業者は、探偵業務を行う際には、 探偵業務における調査の結果を犯罪行為や違法な行為のために用いない旨を示す書面の交付を、依頼者から受けなければいけません。
■重要事項説明書(契約前)
探偵業者は依頼者と探偵業務における契約を締結しようとする場合は、 事前に以下の事項について書面を交付する必要があります。
1. 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2. 商号、名称若しくは氏名又は前号に掲げる名称のほか、当該営業所において 広告又は宣伝をする場合に使用する名称があるときは、当該名称
3. 探偵業務を行うに当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)その他の法令を遵守するものであること。
4. 法第10条(秘密の保持等)に規定する事項
5. 提供することができる探偵業務の内容
6. 探偵業務の委託に関する事項
7. 探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の概算額及び支払時期
8. 契約の解除に関する事項
9. 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する事項
■探偵業務委任契約書(契約成立時)
探偵業者は、探偵業務を行う際には、以下の事項について、契約の内容を明らかにする書面を依頼者に交付しなければいけません。
1. 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2. 探偵業務を行う契約の締結を担当した者の氏名及び契約年月日
3. 探偵業務に係る調査の内容、期間及び方法
4. 探偵業務に係る調査の結果の報告の方法及び期限
5. 探偵業務の委託に関する定めがあるときは、その内容
6. 探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が 支払わなければならない金銭の額並びにその支払の時期及び方法
7. 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
8. 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する定めがあるときは、その内容
■従業員名簿
探偵業者は、営業所ごとに使用人その他の従業者の名簿を備えて、必要な事項を記載しなければいけません。