電子書籍と消費税
お早うございます。ひかり会社設立サポーター、税理士の山下です。
先日の日経新聞に、消費税に関する興味深い記事が掲載されておりましたので、ご紹介致します。
『海外にも網 不公平を是正』
~電子書籍の消費課税 消費者か事業者か、購入者識別に課題 ~
解散・総選挙の影響で、例年よりも公表が遅くなりそうな平成27年度の税制改正ですが、その中でネット上で配信される電子書籍や音楽について、海外事業者に対しても消費税を課税することが見込まれています。
普通に考えれば、我々消費者が電子書籍などをネットで購入する場合、国内の大手書店が運営しているオンライン店舗から購入するのと、アマゾンなど海外企業が運営しているオンライン店舗から購入するのとでは、販売側が設定した税抜き本体価格が同じ金額であれば、我々消費者が負担する金額も同じ料金になるはずです。
しかし現在の日本の消費税法では、国内の大手書店が運営するオンライン店舗から購入すると8%の消費税が加算されるのに対し、アマゾンなど海外企業が運営するオンライン店舗から購入すると消費税が加算されないため、消費者としては後者から購入した方が消費税相当額だけ安く購入することができるのです。
これは、現行の消費税法においては、オンライン上で販売されるものについて、実際に形のある商品(洋服、おもちゃ等)はその消費地が日本であれば消費税が課されますので、たとえ海外業者から輸入をした場合でも消費税は課税されます。
一方、電子書籍や音楽などのデータ販売については、販売地や消費地が国内なのか国外なのか曖昧なため、販売業者の所在地が国内であれば消費税が課され、国外であれば消費税は非課税となっており、そのために前述のような不均衡な状態となっているため、この度その不均衡を是正するべく消費税法改正が見込まれています。
実際に国外の業者に納税義務を追わせ、申告・納税がスムーズに行われるか、実務的には課題も多いかと思われますが、今後の動向に注目が集まることが予想されます。
我々消費者としては、すこし残念な気もしますね・・・。