シリーズ『管理会計入門』(3)変動損益計算書②

こんにちは ひかり会社設立サポーター、税理士の山下です。

シリーズ『管理会計入門』、第3回目の今回は、前回説明した変動費・固定費について、売上・利益との関係をグラフを用いて解説します。

まず売上数量と売上高との関係をグラフで表してみましょう。

売上高

横軸を売上数量、縦軸を金額(売上高)としますと、当然ですが売上数量がゼロのときは金額(売上高)もゼロであり、売上数量が増えれば金額(売上高)も増えます。

同様に変動費・固定費といった費用についてもグラフで表してみましょう。

前回、シリーズの第2回目の記事において、変動費のことを「売上数量の増減に比例して、増減する費用」と説明しました。
具体的には、商品仕入高や外注費、販売手数料などが変動費に該当します。
この変動費をグラフで表すと以下のようになります。

変動費

売上高と同様、横軸を売上数量、縦軸を金額としますと、上記のように売上数量が増えれば変動費の金額も増えますし、売上数量が減少すれば変動費の金額も減少します。

次に固定費については「売上数量の増減に比例せず、一定の金額が発生する費用」と説明しました。
具体的には、事務所の家賃や役員・正社員の給与が固定費に該当します。
この固定費をグラフで表すと以下のようになります。

固定費

固定費については変動費とは異なり、売上数量が増減しても固定費の金額は変化しません。

それでは、これまでにグラフ化した売上高・変動費・固定費を一つのグラフにまとめるとどうなるでしょうか。

損益分岐点

上記が売上高・変動費・固定費を一つにまとめたグラフです。
そして売上高よりも費用(変動費+固定費)が多く掛かれば赤字の状態ですし、逆に売上高の方が費用(変動費+固定費)よりも多ければ黒字の状態です。
よって利益とは、売上高が費用を上回る場合における、売上高のグラフと費用(変動費+固定費)のグラフとの差額を指します。

引き続き上記のグラフを用いて、売上数量の増加に伴う会社損益の推移を見て行きましょう。

売上数量がゼロの場合、売上高は当然ゼロですし、変動費(仕入高など)もゼロになります。ただし固定費(家賃など)はたとえ売上がゼロでも必要になりますので、一定額が必要になります。つまり売上数量がゼロの場合、固定費相当額だけ会社は赤字となります。

次に売上数量が少しずつ増えていく(横軸を右に進んでいく)につれて、会社の売上高が上昇していきますが、しばらくは売上高よりも費用(変動費+固定費)の方が大きいため、この状態では会社は赤字です。

そしてある部分まで売上数量が増加すると、売上高と費用(変動費+固定費)とが同額になります。(グラフの交差部分)
この状態では会社の損益はプラスマイナスゼロで、この売上高のことを損益分岐点売上高と言います。

更に売上数量が増加すると、売上高が費用(変動費+固定費)を超えることになり、この状態からようやく会社は黒字となります。

つまり会社の経営を維持していくため、すなわち黒字の状態を保つためには、会社の損益分岐点売上高を算出し、常に会社の売上高が損益分岐点売上高を上回る状態を維持することが必要となります。

次回は、この損益分岐点売上高の算出方法や、一定の利益を確保するために必要な目標売上高の算出方法について記載します。

融資サポート

助成金サポート

許認可サポート

登記サポート

会社設立サポーターズ ブログ

東京オフィス

〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目1番1号 国際ビル2階
TEL.03-5208-1222
FAX.03-5208-1223

大阪オフィス

〒530-0012 大阪市北区芝田一丁目14番8号 梅田北プレイス10
TEL.06-6585-0234
FAX.06-6585-0235

京都オフィス

〒604-0862 京都市中京区烏丸通夷川上る少将井町222番地 シカタオンズビルディング301号
TEL.075-253-1237
FAX.075-253-1238

ひかりアドバイザーグループ

ホーム特定商取引法の表記 | プライバシーポリシー | お問い合わせ