平成27年度税制改正と中小企業
おはようございます。ひかり会社設立サポーターの岸本です。
3月も後半となり、すっかり春らしくなったと思いきや、この数日間寒い日が続いていますが、皆様、体調管理は大丈夫でしょうか。
さて、あと1週間程で4月、4月といえば新年度のスタートであり、身の回りでも様々な事柄がスタートします。税に携わる我々にとっては、4月1日より施行される新たな税制がスタートするものが沢山あります。今回はその中でも、中小企業を営む皆様に関連のあるものをピックアップしたいと思います。
1.法人税率の引き下げ
法人税率の引下げは、法人の実効税率の引下げを掲げた今回の税制改正の目玉であり、平成27年4月1日開始事業年度より適用されることとなります。具体的には、次のように改正となります。
現行25.5% ⇒ 平成27年4月1日開始事業年度より23.9%
(経済産業省資料より)
≪中小企業の優遇措置≫
中小企業等(資本金1億円以下の法人)は、所得金額800万円以下の部分について
法人税率が軽減されていましたが、この部分についても次のような改正があります。
(この改正は平成28年度までの2年間の期間限定です。)
現行19% ⇒ 平成27年4月1日開始事業年度より15%
2.欠損金の繰越控除制度の見直し
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間を現行の9年から、10年に延長されることとなります。この改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額について適用となります。
また、繰越できる控除限度額についても、次のように段階的に引下げられることとなります。
①平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する繰越控除をする事業年度
繰越控除前の所得金額の65%(現行80%)
②平成29年4月1日以後に開始する繰越控除をする事業年度
繰越控除前の所得金額の50%
つまり、これらの期間については、繰越した欠損金があっても全額控除ができないということです。
≪中小企業の優遇措置≫
上記の繰越できる控除限度額の制限ですが、資本金が1億円超の大企業についての
話であり、資本金1億円以下の中小企業については、現行通り100%控除が継続する
こととなります。すなわち、中小企業については、繰越期間が9年から10年に延長され
るのみということになります。
これらの改正は、平成26年12月30日に公表された平成27年税制大綱を基に、現在国会(参議院)で審議中(衆議院は可決済)とのことですが、例年、問題なく可決されてきたことから考えると、間もなく平成27年度税制改正として公表されると思われます。今回の改正は、中小企業にとってメリットのあるものとなっていますので、大いにそのメリットを享受できるように皆様のサポーターとして努めてまいります。