~JRの光と影~
12/14付の京都新聞 経済面「経済天気図」にグループCEO光田の執筆が掲載されました。
ご一読ください。
増毛と書いて「ましけ」と読む。由来は、アイヌ語のマシュケ(カモメの多いところ)だと聞く。
かつてはニシン漁で栄え、高倉健が演ずる映画の舞台にもなった。この増毛と留萌を結ぶJR留萌線の一部区間が今月廃止され、残る深川までの区間についても存続は危ういとされている。 当初から予想されていたとはいえ、JR北海道は厳しい経営が続く。
同社が公開している計算書類によると、本業である鉄道事業に係る損失額はここ3年で400億円から482億円に拡大している。また、同社が発表した「単独での維持が困難な路線」は十指に余り、その距離の合計は1000キロを超えて道内鉄道地図が白地図になりかねない。 一方、貨物会社を含めたJR7社の中で稼ぎ頭は東海である。2016年3月期には5千億円を超える鉄道事業利益を計上し、東日本や西日本を凌駕している。その理由が東海道新幹線というドル箱にあることは言うまでもなかろう。
レールは北海道の稚内から鹿児島の枕崎まで一本でつながっていて、今も札幌と福岡を結ぶ直通貨物列車が毎日運行されている。しかし、経営は人為的に分割された結果、大きく明暗を分けてしまった。そして、7社のうち上場4社にとっては、株主利益の極大化が最優先課題であるから、自社の不採算路線ですら廃止を検討する中、赤字会社の救済などはあり得まい。
来年はJR発足から30年の節目を迎える。分割民営化がもたらした光と影について再考するには良いタイミングと言えよう。
(ひかり)