ひかり司法書士法人・ひかり土地家屋調査士法人

司法書士のブログ

新型コロナウイルスの影響により内定取り消し、退職を余儀なくされた皆さまへ

約90年の歴史を持つ京都市に本社を構えるひかり司法書士法人では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で企業から内定を取り消された学生や退職を余儀なくされた方を対象に採用活動を始めています。

入社後は京都本社に配属され、不動産登記、会社・法人登記、成年後見業務、相続手続きや測量業務などを中心として、その手続きの補助をしてもらいます。

もちろん、司法書士や土地家屋調査士などの資格取得を目指す場合には、入社後から資格取得のために全面的にバックアップする体制をとっています。

一定期間の研修を終えたのちには、京都に限らず、希望者は東京、大阪、福岡、札幌、滋賀などで勤務することも想定しています。

現代表者が資格を取得した平成13年は、日経平均が8千円台の時代で、自分も就職することに苦労したこともあり、少しでも若い方へ貢献ができればと考えています。

https://hikari-sihoushosi.com/recruit/sihoushosi/

個人再生の事例

こんにちは。ひかり司法書士法人福岡オフィスの長澤です。

今回は、住宅を手放したくない方の借金解決の流れについて具体的に話をします。

相談者は会社員で、奥さんと、小学生と中学生の子供が2人の4人家族。

収入が約450万円でしたが、住宅ローンが2000万円、クレジットカードやその他の借金が600万円程度ありました。

毎月の家計を見ると、収入が手取り30万円、住宅ローンの支払いが9万円、借金の返済が15万円、生活費が10万円だったため、毎月4万円の赤字になっている状態で、確かにこのまま支払っていくのは厳しい状況で、債務整理を検討しようということになりました。

債務整理には、大きく分けて3つ、任意整理と自己破産、個人再生という手続きがあります。

任意整理は裁判所を使わずに司法書士が直接債権者と交渉する手続きであるのに対し、他の2つは裁判所を使う手続きです。

相談者の希望は、裁判所はなるべく使いたくない、借金も払えるなら払いたいというものだったので、まずは任意整理を検討しました。

任意整理をした場合、債権者と交渉すれば、借金の返済が月15万円を10万円程度に下げられる予想でした。そうすると家計は1万円程度の黒字にはなりますが、これから子供が中学生、高校生になることを考えると、将来的に支払えなくなる可能性が高く、現実的ではない方法でした。

そこで裁判所を使う自己破産と個人再生を検討しましたが、相談者はマイホームだけは手放したくないという希望を持っていました。

自己破産の場合、借金は全てなくなりますが住宅は売却するしかなく、家族全員がそれだけはやめてほしいという意向でした。

そのため、個人再生を検討することにしました。

個人再生にも住宅資金特別付個人再生というものがあり、一定の要件をクリアしていれば住宅ローンだけはそのまま支払いを続けながら、その他の借金を減額して原則3年間の分割で支払えば、住宅ローン以外の借金はなくなるというものです。

この相談者の場合、600万円の借金が約120万円になり、月の支払い金額も15万円から3万5千円になると予測できました。

そうすると、住宅ローンや生活費を支払っても手元に7万円程度は残る計算になったため、このまま子供が中学生、高校生になって学費が増えたり、臨時の出費があったりしても対応できる家計になります。

そのため、この相談者からは、個人再生でお願いしたいということで書類作成の契約をすることになりました。

ただ、個人再生は3年間しっかり遅れずに支払っていけることが必須になるため、本人だけでなく奥さんにもこの制度を説明し、無駄遣いをしないようにすることを約束していただきました。

その後、裁判所での手続きも無事に終わり、3年間の支払いの最中ですが、このまま順調に進めば2年後には借金の返済も終わり、余裕のある生活が送れるかと思います。

マイホームを購入した方は、債務整理をすれば家が必ず売られてしまうと勘違いされて、なかなか相談に来ないこともあります。しかし、家を守ることができる手続きもあるので、早めに相談することをお勧めします。

逆に相談せずに一人で無理に支払いを続けていたり、支払いが遅れて強制的に売却されたりすることもあります。

ひかり司法書士法人は、相談者の意志や希望をしっかり聞いて寄り添っていくので、早めに連絡をもらえればもらうだけ、より良い対応をとることができます。
悩んだらすぐご相談ください。

外国人の方が株式会社設立する場合の必要書類

外国人の株式会社設立について

先日、お客様から海外居住の外国人(中華人民共和国)の方が株式会社を設立したいとのご紹介を頂き、株式会社設立登記の手続きを受任しました。

最近、海外居住の方のみの株式会社設立に関して、手続きや必要書類などが変わったこともあり、必要書類や法的な手続きの流れについて、こちらに記載致します。

必要書類

【一般的な必要書類(日本に居住の方の場合)】

  1. 発起人(出資者)の印鑑証明書
  2. 役員(取締役等)の印鑑証明書
  3. 出資者が払い込みをした出資者の銀行通帳の写し

今回のお客様は海外居住の為、①、②で必要な日本における印鑑証明書もお持ちでなく、③の日本における銀行口座もお持ちではないお客様でした。

しかし、①~③の書類がないからと言って、日本で株式会社設立ができないわけではありません。
その代わりに必要になる書類が下記の通りです。

【必要書類】

①、②の印鑑証明書の代わり
外国官憲発行の各種証明書
具体的には、中華人民共和国の公証人の面前で作成した「宣誓供述書」を使用

③出資者が払い込みをした出資者の銀行通帳の写しの代わり
(a)第三者名義の銀行通帳の写し+
(b)発起人が第三者に対して払込金の受領権限を委任したことを明らかにする書面(委任状等)を使用
(a)に関しては、法務省は今回の案件のように発起人と取締役の全員が日本国内に住所を有していない場合に限り、発起人及び取締役以外の者(自然人に限ら
れず、法人も含みます。)であっても、預金通帳の口座名義人として認められるとして、通達を出しています(平成29年3月17日民商第41号通達)。
(b)に関しても、法務省は株式会社の発起設立の登記の申請書に添付すべき会社法第34条第1項の規定による払込みがあったことを証する書面の一部として払込取扱機関における口座の預金通帳の写しを添付する場合における当該預金通帳の口座名義人の範囲について発起人が第三者に対して払込金の受領権限を委任したことを明らかにする書面(委任状等)があれば良いと通達を出しています(平成29年3月17日民商第41号通達)。

この(a)と(b)が以前と手続きが変更となり、海外居住の方も日本で株式会社の設立がしやすくなっています。

③に関して簡単にまとめると、日本にいる協力者の銀行通帳に外国人の出資者がお金を振り込んだ銀行通帳の写しと出資者から日本の協力者への委任状があれば、外国人が日本の銀行通帳を持っていなくても問題はありません。

ただし、①~③の書類は外国語で記載されているので、法務局は内容を確認することできないため、日本語の訳文を付けていく必要があります。

この訳文は特別な資格が必要なわけではないので、一般の方で外国語から日本語に翻訳できる方が、訳文を作成することで手続きが可能です。

上記のような必要書類を準備し、株式会社の設立を無事完了することができました。今回のように日本に居住していない外国人の方でも株式会社は設立することが可能ですので、外国人の方で日本で株式会社の作成をご希望の方はお気軽にお問合せ下さい。

誰にも知られずに借金問題を解決したい方へ

こんにちは。ひかり司法書士法人の長澤です。

今回は、依頼者の方から実際によく聞く債務整理に対する不安や要望、また、早期に相談することの必要性や解決方法をご紹介します。

借金相談の中で一番要望として多いものは、家族や勤務先など周囲の人に知られたくないというものです。債務整理を司法書士に依頼したことを知られるのも、借金があることを知られるのも困るので、相談しにくかったと言われる方は非常に多いです。

債務整理は主に3つのパターンがあり、任意整理・個人再生・自己破産のうち、どの手段をとるかによって異なりますが、実は大半の方がご家族に知られることはありません。

また、職場に知られることは更に少ないのが実際のところです。

どんな場合に周囲に知られてしまうかと言えば、連帯債務者・連帯保証人がついている借金の整理を依頼した場合や、職場から借り入れをしていてその債務の整理を依頼した場合などです。

他にも直接周囲に通知が行くわけではありませんが、車のローンを債務整理した場合は車が引き揚げられることが多いため、車がなくなったことから家族に説明を求められて借金のことを話さなければいけなくなったということもあります。

どんな方法をとれば周囲に知られないか、
これらは司法書士が個別に話を聞いて判断しますので、まずはご相談をいただけると様々な選択肢の中から相談者の希望に一番近いご提案ができます。相談が遅くなればなるだけ、職場やご家族に知られる可能性が高くなっていきます。

以前、借金の返済ができなくなり相談をしに来られた40代の男性がいらっしゃいました。
仕事の営業や遊びで使う飲食費が多く、クレジットカードで支払ううちに返済が厳しくなり、家族にも話すことができずに、新たなカードを作って返済に充て、また支払いに困ったらカードを作るという悪循環でした。

2,3年このような生活をしているうちに借金が300万円程度になったということでした。

この男性が一番後悔していたのはここで銀行の「おまとめローン」の申込みをしてしまったことでした。

「おまとめローン」は、毎月の返済額や返済利息が下がるというので検討される方が多いのですが、今までの私の経験上、おまとめローンを利用すると余計に悪化することが多いです。

この方も生活が改めることができず、おまとめローンで一度は完済したクレジットカードをまた利用して、さらに借金を重ねてしまいました。ご相談に来られたときには約600万円まで債務が膨らんでいました。

新たにカードを作ろうとしても審査に落ちて作れず、返済もできなくなり、自宅に督促状が届いたことから結局家族にも借金の存在が知られ、職場にも債権者から電話がかかるようになったため仕事にも行きにくいという状況になってご相談に来られました。

司法書士が間に入ることで督促がストップし、職場に電話がかかることも、自宅に督促状が届くこともなくなります。

もし、早い段階でご相談に来られていれば、任意整理という方法で家族にも職場にも知られることなく、返済が続けられたはずでした。

この時は、既に分割返済では厳しいくらいの金額になっていたことと、もう家族にも知られていたので内緒にする必要がなく、新たなスタートを切るために自己破産手続を選択しました。最終的には免責も下りて借金がなくなりましたが、この男性は借金のことを知られた職場では働けず、転職を余儀なくされていました。

早めにご相談をいただければ、長年勤めた職場も辞めなくて済んだ可能性が高いので、とても残念でした。

このように、色々な不安があったとしても、まずは一刻も早く専門家に相談することが重要です。

家族に話すかどうか、車を残すか、住宅はどうするか、職場には話さないですむのかなど、一人で考えてもわからないことばかりで辛いだけだと思います。

ひかり司法書士法人は、相談者に寄り添い、生活再建のアドバイスをしながら一緒に解決策を見つけていきます。

もし、借金のことで少しでも不安があれば、返済が現状はできていたとしても早めにご相談ください。

確定申告のお話し

毎年この時期になると、確定申告をしなければ。という言葉を耳にします。

確定申告とは、所得にかかる税金の額を計算し納税するための手続きです。

個人の方の場合、1月1日から12月31日の1年間の所得を、翌年のこの時期(2019年は2月18日から3月15日まで)に税務署に申告する必要があります。

会社員の場合は年末調整を行っているので、通常は確定申告を行う必要はございません。

年末調整は毎月給与から概算の所得税を天引きし、年末に正しい所得税を算出して、足りない場合は追加で納付、支払いすぎている場合には還付される仕組みです。

還付の場合は臨時収入みたいでうれしい気分になるのですが、実は源泉徴収されている自分のお金が戻ってきただけなんですけどね。

通常であれば会社員の方は確定申告をしなくてもよいのですが、会社員でも確定申告が必要になる主なケースとしては次のようなものがあります。

  • 給与収入が2,000万円を超えている
  • 医療費控除を受ける場合
  • ふるさと納税の納付先が6か所以上
  • 不動産所得が20万円を超える場合
  • 住宅ローン控除を初めて受ける場合

司法書士の仕事を行っていて、この中で良く聞くのが不動産所得の申告です。

日頃から不動産の売買に関わる仕事をしておりますので、お客様からも相談される機会があります。

不動産を売った場合に生じた所得に対しては、譲渡所得税という税金が課税されます。

簡単にいうと不動産を売却した金額から、購入した金額と経費を引いて差額があればその差額が譲渡所得として課税されるのです。

譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得

マイホームの売却であれば譲渡所得から3,000万円が控除されますので、譲渡所得税を納めるケースは少ないのですが、問題になるのがご自身が住んでいない不動産を売却するようなケースです。

代表的なものとして、相続した実家を売却する場合ですね。

この場合は、3,000万円のマイホーム控除を使うことができませんし、親が購入した当時の金額が分からなければ取得費が5%となってしまい、譲渡所得税も高額になってしまいます。

しかしそのような方にお得な制度もございまして、それが被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例というものです。

要件は色々とあるのですが、この特例を使うことが出来ればマイホーム控除と同様に、譲渡所得が最大3,000万円が控除されますので、収める税金が600万円近くも減額されることもあります。

以下に空家控除の要件を簡単に記載しますが、詳しくはお近くの税務署にお問い合わせくださいますようお願いいたします。

  • 相続の開始直前に被相続人のみが居住をしていた家屋
  • 昭和56年5月31日以前に建築された建物(区分所有を除く)であること
  • その家屋を相続又は遺贈により取得
  • 相続の時から売却の時まで賃貸等、他の用途に使っていない
  • 当該家屋を取り壊して更地にして売却(または耐震リフォームを行い売却)
  • 相続の開始日から3年を経過する日の年の12月31日までに売却
  • その売却代金が1億円以下であること

沢山の要件がありますね。

制度の概要としては、近隣に迷惑をかける恐れのある古い家屋を相続した場合、早めに建物を解体してから売却すれば税金をまけてあげますよ。といった感じでしょうか。

この特例があることにより、放置された空家問題の解消につながるのでしょうね。

 

また先日発表された、平成31年度税制改正大綱では、上記要件のうち被相続人の居住について変更になるようです。

現行の制度では、相続開始直前まで被相続人の居住の用に供されていることが要件でした。

このため、被相続人が老人ホームへ入所したまま亡くなった場合には、たとえ被相続人の自宅が空き家になっていてもこの特例を受けることができませんでした。

しかし、改正案では被相続人が老人ホーム等に入所していた場合でも、以下の追加要件等を満たす場合に限り、この特例を適用できるようになります。

①被相続人

  • 介護保険法に規定する要介護認定等を受けていること
  • 相続開始の直前まで老人ホーム等に入所していたこと

②被相続人の居住家屋について、被相続人が老人ホーム等に入所したときから相続開始の直前まで

  • 被相続人による一定の使用がなされていること
  • 事業、貸付の用、被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと

また、上記の改正は2019年4月1日から2023年12月31日までに行う譲渡についての適用となります。

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