レーザースキャナー3D測量の実例【三大メリット!】

皆様こんにちは。測量部の吉村です。

今回はレーザースキャナーを使った「3D測量の実例【三大メリット】」をご紹介させて頂きます。

まずは、レーザースキャナーを使って何ができるのか?、そもそもレーザースキャナーとは何なのか?と思われている方も多いと思いますので、実際の写真をご覧ください。


【レーザースキャナー Leica BLK360

こちらがレーザースキャナーの本体になります。

ボタンを押すと三脚の上に設置した機械からレーザー光が照射され、辺り一面のスキャンが開始されます。(レーザー光は目には見えません)

 

レーザースキャナーによって取得した実際の画像

そしてこちらの画像のように、写真で撮影したかのような現地の状況が出来上がります。

(この間なんとわずか3分!)

こちらの画像は写真のように見えますが、実際にはx.y.zの座標値の集合体で作成されたデータ(点群データ)なのです。ドット絵のようなイメージです。

この出来上がった点群データは全て座標値を持っていますので、例えば手前の白い車と奥の赤い車のヘッドライト間の距離、といったような任意の距離を机上で算出する事も可能なのです。

これは従来の測量技術からすると本当に凄い事で、従来までは測量したいポイントに下記のような棒を当てて座標値を計測していました。

赤白棒→ピンポールとピンミラーを使って計測中の写真です

人の車にこんな棒を当てていたら怒られてしまいますよね。。

この様に心理的に座標を取得しにくい場所だけではなく、ビルの上部等のどうしても地上からは計測出来なかった高所の測量もレーザースキャナーの得意分野なのです。

次に、レーザースキャナーを使用した3D測量の「三大メリット」をご説明させて頂きます。

1つ目のメリット

完璧な状況保存!

ありのままの「現在の状況」を点群データとして残すことが出来るので、計測当時の「過去の状況」を精密に保存する事が可能になります。

そして上記の画像データは360°確認することのできるデータとして保存することができるので、計測当時に目視では確認しきれなかった上部の建物状況確認等、従来では到底出来なかったことが点群データでは出来るのです。

昨今では首里城の焼失等もあり、歴史的文化財の現場状況保存に注目が集まっています。

従来の赤白棒を当てていく測量方法では、瓦の一枚一枚の形状などを測量する事は物量的に不可能でした。

レーザースキャナーを使用して点群データにする事で、CADソフトで距離の計測や面積を図る事ができますので、いつでも測量当時の状況確認を行う事が可能になります。

また、点群データと従来の測量技術を組み合わせることも可能です。新旧二つの測量技術を組み合わせる事により測量精度を高めることができ、敷地面積や後日気になった箇所を確認し直したりと様々な事ができるようになります。

2つ目のメリット

周辺の建物状況立面図や断面図作成も可能!!

従来の測量技術では困難であった建物の高所位置は、人的に座標値を取得する事に限界がありました。(隣接地のビルのてっぺんに棒を持って立つのは困難ですよね。)

しかし、その様な箇所でも、レーザースキャナーを使用すると解決する事ができるのです。

スキャナーからのデータ取得範囲は、なんと40m~50mもあります。

人的では取得できなかった高所の建物も地上からの作業だけで点群化することが可能になるだけでなく、更に下から見通す事の出来ないビルの屋上部分については、ドローンを飛ばして真上からも測量してしまいます。

3つ目のメリット

安全を確保できる!!

従来では災害現場や車通りの多い交差点、断崖絶壁の場所など場所を問わず、棒を持って人が立ち入りその場所まで行かないと測れませんでしたが、レーザースキャナーがあれば離れた安全な場所から計測する事ができます。安全対策に使う時間やコストも削減できますし従来と比較するとそこだけでも大幅なメリットになるのです。

弊社で使用している DJI のドローン Phantom 4 Proです

これにより、マンション建設予定地周辺建物の立面図や、既存建物の断面図も容易に作成する事ができるようになりました。

また、凹凸がある地表面もデータを正確に取得する事ができるので、盛土量の計算といった事が可能になります。

レーザースキャナーの使用用途は様々なのですが、取得した点群データは専用ソフトを使用する事で従来の2D図面を作成する事もできます。

そのため、弊社にご依頼いただければ2D・3D両方の図面が一度に作成可能になります。

今回ご紹介させてい頂いたこれらの業務は、レーザースキャナー測量のほんの一例ですが、ひかり測量設計では、その他にも多種業務を柔軟に対応する事ができます。

測量の相談や空撮、3Dモデル作成、現場の状況保存等、こんな事に使えない?など、まずはお気軽にご相談下さい。

次回以降も最新技術を用いた測量や、ドローンを使った点検作業など色々とご紹介させて頂きますのでよろしくお願いします。