筆界特定制度の利用した境界の問題解決

皆様、こんにちは。ひかり測量設計の吉村です。

今回は筆界(ひっかい)特定制度についてお話させていただきたます。

「筆界特定制度」とは、隣接する土地の所有者との間で、境界について話し合いがつかない場合、または隣接する土地の所有者の行方がわからず、境界についての話ができない場合に、法務局へその旨を申し立て、法務局の筆界特定登記官が土地の境界線を特定する制度で、専門的知識を有する筆界調査委員の調査結果と意見を踏まえ、関係者である申請人や利害関係人などの意見、さらには提出された資料などにより総合的に判断し特定する制度です。

この制度が制定されるまでは境界確定訴訟、裁判所の調停しか手段がなく、膨大な費用と時間がかかっていました。土地の境界を定めるにあたり、使い勝手の悪い制度しかなかったことから、平成17年の不動産登記法改正に伴い新設された制度ですが、近年その申請件数は増加の一途をたどっています。

増加している背景には、人間だれしも不動産といった非常に大事な資産について、あるいは先代から引継いだ財産を、たった1センチであったとしても、理由なく境界を譲るようなことはしたくはありません。また、積年の恨みといった近隣トラブルなどから、あいつが言ってきたことには絶対に応じたくはないというような感情論からもつれてしまうこともあります。

このように、境界の問題解決の方法も、昔と比べると随分と使い勝手がよくなっていて、昔であれば何年も解決に時間を要していたようなことも、意外と短期間で解決するようにもなってきています。とはいうものの、境界を定めると言うことは簡単にはいきませんが、いずれにせよ解決できる手段ができていることは確かであります。

みなさんのお持ちの不動産で、隣接する方との境界に不安を感じておられる場合には、我々にいつでもお気軽にご相談頂ければと思います。