株価が上がる可能性…!?

こんにちは。ひかり設立サポーターの谷岡です。

先日、アメリカの大統領にトランプ氏が正式に就任したことがニュースでは大きく取り上げられていますね。彼の些細な発言次第で、為替相場や株式市場に大きな影響を与えているということを耳にすると、我々の暮らしにも影響を与えるのかどうか…と思案します。

さて、株式上場している様な大企業においては、このように株価が世間に公表されていますが、同族会社を中心とした非上場企業については、国が定める「財産評価基本通達」に基づいて会社規模(大・中・小)に応じ、「類似業種比準方式」または「純資産価額方式」、もしくはそれらの「併用方式」にて株価を算定することになっています。(国税庁HP 「取引相場のない株式の評価」

この株価算定方法のうち、「類似業種比準価額」は、同じような業種の上場会社の株価平均値に対して、3つの要素(配当・利益・純資産)を類似業種と比準して算定する方法です。昨年末に公表された平成29年度税制改正大綱において大きな改正点が2つありましたので、ご紹介させて頂きます。

①比準割合が1:3:1から1:1:1に変更

今までの算定方法では、上記計算式の通り、利益(C・Ⓒ)の金額は5分の3を占めておりました。つまり、会社の利益額を株価評価の際に重視していました。しかし、今回の改正により、配当金(B・Ⓑ)・利益(C・Ⓒ)・純資産(D・Ⓓ)の割合が均等となる、1:1:1に 見直しをされることになりました。 利益を重視した算定方法から、配当金・純資産にも重きを置いた算定方法に変更となっており、利益が株価に影響を与えることが少なくなることで、高収益企業については株価が下がる可能性があります。逆に言えば、決算対策により利益を敢えて少なくすることで株価を引き下げて株式贈与を行うというスキームは、効果が薄まる可能性があります。一方で、配当金額や内部留保の多い会社にとっては株価が上がる可能性があるということになります。

②類似業種の株価に「前年2年間平均」を追加

今までの算定方法では、上記計算式の類似業種の株価(A)として使用する金額は、課税時期の月、課税時期の前月、課税時期の前々月、課税時期の前年平均の4つの株価のうち最も低いものを使用していました。今回の改正では、これらに加えて「課税時期の月以前2年間平均」の株価も使用できることとなりました。これでトランプ効果による上場企業の急激な株価変動による、取引相場のない株式の株価への影響額が以前より抑えられるのではないでしょうか。

なお、今回の改正は平成29年1月1日以後に発生した相続や贈与の計算から適用されます。

弊社では、事業承継対策として、株価評価のサービスも積極的に行っております。

自社の現在の株価はいったいどれぐらいなんだろうか…将来の事業承継を検討しているけれど、株価が上がって贈与税がえらいことにならないか心配だ…という皆様の疑問に対応させて頂きますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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