~フィンテックと銀行~
2月17日 京都新聞経済面「経済天気図」にグループCEO光田の執筆が「ひかり」ペンネームで掲載されました。
ご一読ください。
最近、フィンテックという言葉をよく耳にする。金融(ファイナンス)とIT(情報テクノロジー)を掛け合わせた造語であり、その中身は、決済や融資、資産管理といった金融業務にIT技術を活用して新しいサービスを提供しようというものである。
既存の銀行が提供していない新たな金融サービスの創出は、利用者の利便性を向上させるとともに、金融市場の将来を大きく変貌させるといわれている。行政も推進役となって、金融庁では銀行の業務規制を緩和するための法改正に向けて作業中である。
改正案には、金融機関によるフィンテック関連のIT企業への出資を容易にする内容も盛り込まれているという。
しかし一方では、フィンテックの進化によって既存の銀行が駆逐されるのではないかという声がある。その背景には、音楽配信サービスの登場で街角からCDショップが消えたことや、アマゾンのネット通販の浸透で書店が淘汰されつつある現状などが投影されているのかもしれない。
確かに、ネット上で資金の貸し手と借り手を結びつけるレンディングサービスなどは、銀行の本来業務を侵食する可能性が大きいし、スマホなどを使った決済方法の多様化は銀行の手数料ビジネスに打撃を与えるであろう。
しかし、ウイルスやサイバー攻撃といったネットの脆弱性が克服できない現状では、銀行の持つ信用力は簡単には色褪せないように思う。
信用の足し算と信頼の掛け算によって、金融市場の安心と安全が維持されている。
(ひかり)