マイナンバー制度(2) ~事業者が対応すべきこと~

おはようございます。ひかり会社設立サポーターの岸本です。

マイナンバー制度については、4月8日のこのサポーターズブログでも取り上げ、この制度の利用開始日は平成28年1月1日予定ということでアナウンスされてきましたが、4月3日の政令公布により、同日開始が確定しました。このため制度開始に向けて、様々なメディアで取り上げられる頻度が更に高まってくることとなるでしょう。
そこで、今回は、マイナンバー制度の導入により事業を起こされている皆様や、これから開業を予定されている皆様がどのような対応をすべきかについて触れていきたいと思います。

マイナンバー制度は、「個人の情報を管理するもの」として取り上げられるていることが多いですが、この制度の導入により事業を行っていく方にとっても、どうやら、やるべきことが増えるようです。具体的には、(1)従業員(企業内部)に関するもの、と(2)取引先(企業外部)に関するものに大別すると次のようになります。

(1)従業員(企業内部)に関するもの
 ①従業員からのマイナンバーの情報収集
   マイナンバー制度自体が、個人の税金と社会保険の情報収集を目的としているものなので、給与
   を支給している事業者の方が従業員から個々のマイナンバー情報を収集し、税金と社会保険の情
   報を官公庁に提示しなければなりません。この情報収集は、従前からおられる従業員はもちろん
   その扶養者も含まれ、新規採用される方、短期のアルバイトの方も対象者となります。収集の際
   には、利用目的の明示と成りすまし等の防止のため、厳格な本人確認が必要となります。
 ②情報の管理体制の確立
   マイナンバー制度を規定するマイナンバー法は個人保護法の特別法としての位置づけがされてい
   るため、その情報の管理は厳重にする必要があります。従業員から収集したマイナンバーは原則
   保管してはいけないこととなっておりますが、雇用関係が継続しており源泉徴収や社会保険など
   の給与事務で継続利用が必要な場合のみ保管が認められております。また、これらの給与事務の
   必要性がなくなった場合には収集した情報は廃棄しなければなりません。もし、この情報が流用
   されたり、漏えいした場合には厳しい罰則規定が設けられております。このため、企業内部での
   管理・廃棄のルール作りが必要となってきます。
 ③給与システム等の対応
   マイナンバー制度の導入により、現行の給与システムや従業員の管理システムにマイナンバーの
   情報を追加する必要が出てきます。このため、システムやソフトのバージョンアップが必要とな
   ってくることが考えられます。
(2)取引先(企業外部)に関するもの
  企業外部の取引先との取引に際して、次のような場合にはそれぞれのマイナンバーの収集が必要と
  なります。この場合も、本人確認、情報の管理・廃棄の対応は上記(1)の場合と同じです。
   ①弁護士、税理士等に対して報酬を支給する場合の支払先
   ②事務所や駐車場等を借りている場合の貸主
   ③配当を支払う場合の支払先 等

これらのうち、(1)①の情報収集はマイナンバーが個々人に通知される今年の10月以降から可能となり、それまでに(1)②の管理体制を確立させておく必要があるでしょう。また、実際の利用開始となる来年平成28年1月までには(1)③の対応を終わらせておきましょう。

現段階での事業者が対応すべきことの概略は上記のようになりますが、これから発信される情報がありましたら、随時ブログにて紹介していきます。

マイナンバー制度の導入について事業者が対応すべきことについては、次のリンクも参考にしてください。
日本経済団体連合会 『マイナンバー制度への対応準備のお願い』
内閣官房 『マイナンバー 社会保障・税番号制度』 ~事業者のみなさまへ~

 

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