成年後見制度について
みなさん、こんにちは
司法書士の安田です。
先月20日、以下のような判決が広島高裁で出ました。
「成年後見人が財産を横領したことにつき家庭裁判所の過失を認める」
そもそも成年後見制度とは、認知症などの精神的な障害により判断能力が十分でない者の財産を守るために、家庭裁判所により選任された成年後見人がその者に代わって財産を管理するという制度です。
法務省によると家庭裁判所の成年後見人選任について過失が認められたのは初めてだそうです。
今回の場合、約3500万円の金額が横領されていたらしいのですが、横領行為を家裁が把握しているにもかかわらず、成年後見人を解任しなかった間に横領された231万円についてのみ賠償を認めたので、私としてはある意味当然のような気はします。
本来、財産を守るべき立場である成年後見人が、横領行為を働くことは言語道断なのですが、残念ながら成年後見人の不正行為が後を絶ちません。
今回の広島高裁の判決によって家庭裁判所にはさらに厳しい監督責任が問われることになると思います。
それによって少しでも安心して利用できる成年後見制度が出来ればと願うばかりです。
2012年3月2日 | 司法書士ブログ / Posted: ひかり司法書士法人